「く・・くるしい・・誰かここから出してくれぇ・・・」
去年この家に住むことに決めて、リフォームの打合せに来たとき、家のどこからかこんな声が聴こえました。
床下の白骨じゃあ、ありませんヨ(汗)
天井!天井板の上からです。
同行して下さった棟梁の岩永さんに、「すみませんが、天井板をぶち抜いて下さい!」と、思わず叫びました。
「よっしゃ!」棟梁はすぐさま、手にしたバールで天井板を、ベリベリベリ~
そしてそこに見たものは・・・
美しい、あまりにも美しい、黒光りする和松の太い梁!梁、そしてまた梁!
ほぉ~~~・・・・
一同、思わず見とれて溜息・・・
ただのオンボロ屋ではなかった~!!!
声の主は、あなた様でしたか〜。
こんだけ太い和松は、今はもう、探しても手に入らんばい!」とは、この道60年の棟梁の言。
登記書では築75年で、それだけでもう立派な古民家ですが、木の組み方からして、おそらく100年は経っているとのことでした。
天然自然の木そのものですから、歪みや曲りをまんま活かして、木に添うように、全てが見事に調和しています。
100年前と言えば重機もなく、近所の人たちが総出で梁や柱を組んだそうですが、雨風耐えて幾星霜、
この家の歴史を見守り続けてきた梁です。
嫁が来て、赤ちゃんが生まれ、誰かが家を離れ、誰かが死に、また嫁が来て、赤ちゃんが生まれ・・・
そして今はこの騒がしい一家と猫一匹が、なぜだか梁を見上げています。
朝一番に目に飛び込んでくるのは、朝日に輝く太い梁。
「母ちゃん!ほら!がんばらんば!」
ガッシリと力強く伸びた一本松に、ガッツリ気合いを入れられ飛び起きる。すごいですよー。毎朝パワーもらいます。
どうぞこの梁に会いに来て下さい。
もしかして、私の占いよりも、力あるかも知れません(;^ω^)
れべいゆ